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◆減価償却とは
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土地や美術品などは、購入してから何年たっても、その価値が下がることはありませんが、機械などは、取得後10年程度の耐用期間が過ぎると、利用できなくなってしまいます。その場合、機械の取得価額(例えば100万円)は、機械の使用期間(例えば10年間)にわたって、毎年少しずつ費用として認識すべきだということになります。
このように、経年によってその価値が下がっていく固定資産について、毎年その資産計上額を少しずつ費用処理していく経理処理が、減価償却です。
減価償却は、固定資産の利用期間にわたって、取得価額を費用として各事業年度に配分する手続であるといえます。
決算にあたっては、固定資産の減価償却費を計算し、費用として計上するとともに、固定資産の簿価を減ずる処理を行うことが企業会計上は求められています。 これを受けて、法人税法においても、一定の条件を満たす減価償却費については、損金算入が認められています。
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消費税申告と還付の極意があります。

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◆減価償却の対象となる資産
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減価償却の対象となる資産は、以下に掲げる減価償却資産に限定されます。
◎有形固定資産
1.建物及びその附属設備(暖冷房設備、照明設備など)
2.構築物(ドック、橋など)
3.機械及び装置
4.船舶
5.航空機
6.車両及び運搬具
7.工具、器具及び備品
◎無形固定資産
1.鉱業権(租鉱権及び採石権その他土石を採掘し又は採取する権利を含む。)
2.漁業権(入漁権を含む。)
3.水利権
4.特許権
5.実用新案権
6.意匠権
7.商標権
8.ソフトウエア
9.営業権
10.水道施設利用権 など
◎生物
1.牛、馬、豚、綿羊及びやぎ
2.かんきつ樹、りんご樹、ぶどう樹など
3.茶樹、オリーブ樹、みつまた、こうぞ、もう宗竹、アスパラガスなど
なお、これらの資産であっても、棚卸資産は、減価償却資産に該当しません。機械メーカーが自社製品の機械を、完成から販売するまでの期間について減価償却するということはないのです。
また、事業の用に供していない資産も減価償却資産に該当しません。最新鋭の機械を導入したものの、使用方法が分からないため全く利用されず工場の隅でほこりをかぶっているという場合に、その機械は減価償却の対象とならないのです。
一方、固定資産のうち、土地及び借地権、電話加入権、書画骨董(ただし、取得価額が1点20万円(絵画にあっては、号2万円)未満の少額のものは減価償却資産として取り扱うことができます)などは、減価償却の対象となりません。
なお、電話加入権については、現在NTTグループが廃止を検討しています。そのため、電話加入権を損金として処理できるよう取扱いが変更される可能性があります。
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◆取得価額10万円未満なら消耗品
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こまごまとした資産まで減価償却資産として管理するのは会社業務の実態にそぐわない面があります。
そこで、資産の取得価額が10万円未満の少額な減価償却資産については、使用し始めた時点で、その取得価額の全額を損金算入することができるとされています。
多くの会社では、10万円未満の少額減価償却資産を取得した場合には、「消耗品費」など費用の勘定科目を用いて、一時の損金として経理処理しています。
さらに、中小企業者については、取得価額30万円未満の減価償却資産を取得した場合に、使用し始めた時点で、その取得価額の全額を損金算入することができます。 取得価額が10万円(30万円)未満であるかどうかの判定は、通常1単位として取引されるその単位ごとに判定します。 使用可能期間が1年未満の減価償却資産も、事業の用に供した事業年度の一時の損金として処理できます。
また、取得価額20万円未満の減価償却資産については、一括償却資産として、3年間で償却する方法を選択できます。もし、会社が取得価額10万円未満の減価償却資産も、即時費用化していない場合には、これも一括償却資産に含めて3年間で償却することができます。
一括償却することとした場合、残存価額をゼロとして償却することになりますので、通常の減価償却を行うよりも損金として処理するスピードは速まります。
また、期中に取得・事業供用開始した資産について、償却費を月割り計算することがありませんから、この点でも損金算入できる償却費は大きく計算できます。
その反面、償却が完了する前に、対象となる資産を除却しても、除却損を損金算入することは税務上認められず、3年間の均等償却を続けていくことになります。
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◆資本的支出と修繕費
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固定資産を保有していると、定期的なメンテナンスが必要になります。また、突発的に修繕が必要となることも少なくありません。
これらのメンテナンス費用については、法人税法上、一時の損金として処理できる場合と、固定資産として計上しなければならない場合とがあります。
後者の場合を「資本的支出」といいます。
資本的支出に該当するかどうかは、判断が非常に難しく、実務では多くの会社が頭を悩ませています。
資産の使用可能期間を延長する効果がある支出や、資産の価額を増加させる効果がある支出が資本的支出であると定められていますが、規定が抽象的ではっきりしないのです。
建物や機械設備の修繕にかかるコストは巨額なものとなりがちです。修繕費として一時の損金とするのと、資本的支出として何年もかけて減価償却費を計上するのとでは、毎年の法人税の金額が大きく異なってきます。そのため、税務調査でも必ずチェックされるポイントです。
修理、改良などの支出のうち、固定資産として計上するもの
(1)資産の使用可能期間を延長する効果がある支出
(2)資産の価額を増加させる効果がある支出
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◆減価償却には、複数の方法があります
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会社は、複数ある減価償却方法の中から任意に選択できるのですが、減価償却資産の種類ごとに選択できる方法が税法で限定されています。
法人税法上選択できる減価償却方法
◎有形固定資産
建物・・・定額法(平成10年3月31日以前取得の建物については定率法も可)
鉱業用減価償却資産・・・定額法、定率法、生産高比例法
上記以外の有形固定資産・・・定額法、定率法
◎無形固定資産
鉱業権・・・定額法、生産高比例法
営業権・・・均等償却
上記以外の無形固定資産・・・定額法
◎生物
生物・・・定額法
償却方法の選定と届出
会社は、償却方法を選択することができます。
償却方法の選定は、「構築物は定額法、機械は定率法、車両運搬具は定額法・・・」と資産の種類ごとに選定します。会社が2つ以上の事業所を有している場合には、事業所ごとに選定することもできます。この場合、「東京工場の機械は定率法、大阪工場の機械は定額法」という選定が可能です。
届出は、「減価償却資産の償却方法の届出書」を税務署に提出することで行います。
通常は、会社を設立してから、設立第1期の確定申告書の提出期限までに提出します。もし、届出書を提出しなかった場合には、資産の種類ごとに定められている法定償却方法を選択したことになります。法定償却方法は、有形減価償却資産(平成10年4月1日以降取得建物を除く)は定率法、鉱業用減価償却資産及び鉱業権については生産高比例法となっています。
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◆定額法のしくみ
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減価償却の方法の中でも、もっとも理解しやすい定額法についてみてみましょう。 法人税法においては、定額法による減価償却費の損金算入限度額を次の式で定めています。
償却限度額 = ( 取得価額 − 残存価額 ) × 償却率
法人税法においては、減価償却費を損金算入するかどうかは会社の選択に任されています。法人税法は、あくまで損金算入の上限額を定めていることに留意しましょう。赤字の会社は減価償却費を計上しなくてもかまわないのです。
企業会計原則という会計のルールで、減価償却費を毎期必ず計上しなくてはならないこととされているのと対照的です。
残存価額と償却率
上記の算式の「残存価額」とは、固定資産の耐用年数が到来したときに、売却やスクラップで得られる処分価値相当額です。多くは取得価額の5%とされています。
実際に、スクラップが取得価額の5%もの価値を有しているケースはまれですが、税法上は一律にこれを設定しています。
「償却率」は、1÷耐用年数で求められます。
税法上、耐用年数が2年〜100年の場合それぞれについて、償却率が定められています。
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◆定率法のしくみ
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減価償却の方法の中でも、会社がもっとも一般的に採用している定率法についてみてみましょう。法人税法においては、定率法による減価償却費の損金算入限度額を下記のの式で定めています。
償却限度額= ( 取得価額 − 減価償却累計額 ) × 償却率
算式の「減価償却累計額」とは、前事業年度までに損金算入された減価償却費の累積金額です。定率法による減価償却費の計算は、固定資産の未償却残高に償却率を乗じるものです。
定額法の算式と異なり、残存価額を控除することはありません。これは、耐用年数経過時点での未償却残高が残存価額と一致するように、定率法の償却率があらかじめ設定されているためです。
定額法との比較
定額法と定率法とで計算される減価償却費を比較すると、その金額の推移には大きな違いがみられます。定額法の減価償却費は毎年一定です。一方、定率法による減価償却費は、毎年減少するため、右下がりのカーブを描きます。
償却開始当初の減価償却費を比較すると、定率法で計算した方が大きくなります。このことは、定率法の方が償却が早く進み、税務上有利な方法だといえるでしょう。
ただし、耐用年数経過時点での損金算入された減価償却費の累計額は同じになります。
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◆償却可能限度額まで償却できます
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減価償却にあたっては、残存価額をあらかじめ考慮することを解説しました。
ところで、実際の会社業務では、当初予定していた耐用年数(法定耐用年数)を経過した後も、固定資産を使用し続けるケースは珍しくありません。この場合には、耐用年数経過後も、引き続き減価償却費を計上し続けることができます。減価償却費の計算方法はそれまでの算式とかわりません。
ただし、税務上は、資産の取得価額に対して一定割合の帳簿価額を残すことが求められています。帳簿価額が一定額を下回ることになる減価償却費の計上は認められていません。言いかえれば、損金算入できる減価償却費の累積金額には、上限額が定められているということです。
このような、損金算入できる減価償却費の上限額を、償却可能限度額といいます。
有形減価償却資産の償却可能限度額は、取得価額の95%とされています。ですから、耐用年数経過後も減価償却を続けたとしても、5%は帳簿価額として残しておかなければなりません。
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◆減価償却費を損金算入するための要件
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減価償却費については、損金算入できる金額の計算が細かく定められていることは先に示しました。
しかし、必要とされることはそれだけではありません。損金算入限度額以内の減価償却費を損金算入するためには、以下の手続要件を満たす必要があります。
減価償却費を損金算入するための要件
1.償却限度額以内であること
2.損金経理
3.明細書を確定申告書に添付
損金経理とは、減価償却費を費用として経理処理することです。会社が、決算書に減価償却費を費用として計上していない場合は、損金算入できません。
また、明細書の添付も忘れてはなりません。明細書の書式は税法で定められています。定額法の場合は「別表16(1)」、定率法の場合は「別表16(2)」を添付します。コンピューターの固定資産管理ソフトを利用して固定資産台帳を作成している場合でも、これらの書式に転記して確定申告書に添付することが必要です。
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